ビブラートの練習方法

ビブラートとは、一定の幅で音を揺らすテクニックです。この一定にというのが、難しいところですね。ただ揺らせばよいという訳ではありません。そもそも、どの様に音を揺らすのかというところから説明しようと思います。楽器によって、ビブラートの掛け方は異なります。フルートやオーボエは、息でビブラートを掛けますが、サックスの場合は顎で掛けます。具体的には、

  • 「ワ(wa)-ウ(u) ワ(wa)-ウ(u)」

と言うということです。

「ワ(wa)-ウ(u) ワ(wa)-ウ(u)」と言うと、顎が上下に動き、その動きによって一定の波を作り出します。一般的には、「ワ(wa)-ウ(u) ワ(wa)-ウ(u)」とされていますが僕、個人としては

  • 「ホ(ho)-フ(fu) ホ(ho)-フ(fu)」

くらいでもよいと思っています。顎の動きは、外目からはほとんどわからない程度のものです。最初からきれいな美しいビブラートをかけたいところですが、まずは非音楽的でも均一に波がかかるという事を目指します。楽器を始めて間もない場合は、波のかけ過ぎに注意!そして、経験者は逆にかけなさ過ぎに注意です。以前にもお話をしましたが、テクニックを練習する時は感情は捨てます。感情は必要ありません(笑)「一定に」「均一に」をひたすら追求することです。直接的に曲で使うためのビブラートの練習というよりはアンブシュアの柔軟な動きをコントロールするのが目的の基礎練習です。練習方法はメトロノームを使います。

譜例

ビブラートの練習もゆっくりからです。

  • 「ワ(wa)-ウ(u)」または、「ホ(ho)-フ(fu)」

を1つの波とします。♩=60 で1拍に1つの波を入れます。まずは、譜面の1の様に4分音符に1つの波をいれましょう。しっかりと一定の波を入れることを気をつけましょう。間違っても「 ワ(wa)-ウ(u)ーー ワ(wa)-ウ(u)ーー ワ(wa)-ウ(u)ーー」という風に ウ(u)のところで間延びしない様にしてください。これが出来たら8分音符に1つ波、3連譜のリズムで1つの波、16音符に1つの波…という具体に波の数を増やしていきます。

16音符で1つの波を入れるという事は、1拍で4つの波が入る事になりますね。そして、最終段階はテンポを段々と上げていきます。♩=60…64…68…72♩=72のテンポで1拍に4つの波が入るのが、ビブラートの標準の波の入り方だと思ってください。非音楽的に感じてしまうかもしれませんが、ビブラートを一定の波でコントロールできるということは、最終的には、自分が想い描いた波でビブラートをかけれるということに繋がります。

実際に曲を吹く時は、練習曲でもない限り、基本的には1拍に波をいくつ入れるとは意識していません。ごく自然にメロディにビブラートをかけていくのが理想です。これらの基礎練習は、あくまでビブラートをコントロールするための練習です。ぜひ、練習の参考にしてください。